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「ガム」のお話①

今回から「ガム」に関するお話です。

チューインガムの歴史は、西暦300年ごろ(日本の大和時代末期のころ)のマヤ文明まで遡ります。住民たちは、当時群生していたサポディラという20mほどの巨木の樹液を採集して煮込み、それを固めて噛む習慣をもっていました。

これが現在もチューインガムの原料になっている天然チクルです。マヤ文明は西暦800年ごろ(日本では奈良の大仏が完成したころ)を頂点に衰退しましたが、天然チクルを噛む習慣は、メキシコ・インディオに引き継がれていきました。

西暦1860年(日本では幕末のころ)、アメリカとメキシコの戦争で活躍したサンタ・アナ将軍が、天然チクルのふくよかな嚙み心地と口の中をきれいにする役割に気づき、チクルを甘味料を加えて売り出したところ爆発的な人気を呼びました。

このときの名前が「チューイング・ゴム」

すなわち、チューインガムの始まりとなり、以後世界中に広がるきっかけになったのだそうです。

日本では1916年(大正5年)に初めてチューインガムが輸入され、1928年(昭和3年)ごろには国内でも製造販売をする会社が、いくつか誕生しましたが、当時の日本人には受け入れられませんでした。チューインガムが本当に日本人の生活に入ってきたのは、戦後になってからです。

第二次世界大戦中、アメリカ軍はチューインガムを携帯食料の一つとして利用していました。終戦後、彼らとともに、このチューインガムが日本に入ってきて、子供たちを中心に愛好者が急増していきました。

そして昭和20年代後半に入ると、日本経済復興に伴って、貿易の自由化が始まりました。輸入規制のあった「天然チクル」も入手可能となり、1952年(昭和27年)にロッテは国産で初めて噛み心地を主体とした天然チクル使用のガム「スペアミント」を、市場に送り出しました。

その後、「グリーンガム」・「クールミントガム」と続々と新商品を発売し、「天然チクルのロッテガム」というチューインガムのトップメーカーの地位を一層確実なものにしました…(続く)